カナダ・アラスカ沿岸水路 (テレグラフ・コーブ〜プリンス・ルパート) |
||
|
||
|
日記 |
宿泊地 (航行距離) |
7月2日(土) |
せっかくの休養日も一日中強風が吹き、雨。 土曜日なので人がたくさん来て町が賑わうのかなと思っていたけれど、短い繁華街は閑散としている。 今日海に出なかったのは休息の意味もあるのだが、一番の理由は「買い物」である。 次に向かう所は、ここから約600km北にあるアラスカとの国境に近い街・プリンス・ルパートで、その間に物資を補給できるのは、丁度中間辺りにあるベラベラという町が一つあるだけ。 300kmの無補給区間が続くので、10日分+予備5日分+緊急用5日分と計20日分の食糧が必要なのである。 足りない分の食糧をこの町唯一の商店に長居して、じっくりと見定めながら購入していく。米が売っておらず入手できなかったけれど、一週間分はまだ手元に残っているし、あとはマカロニで代用することにしよう。 「ウチに置いてある商品を全て見たのかしら?」 会計のとき、店のおばちゃんが笑顔で言った。 どんより天気の中でバーベキューをしている人達は、皆厚手のレインコートを着て寒そうだ。これでもう6日連続の雨。洗濯物が乾きません。
カヤックはツアー会社に頼んで駐艇させてもらった
久々に潮の心配のいらない、真っ平な寝床 |
Telegragh Cove |
7月3日(日) |
雨がやっと上がり、天気予報もいい感じ。全く乾いていない服を着て、その冷える体を温めるようにキャンプ場から港へと荷物を3回に分けて運ぶ。9時を回っていたのでシーカヤックツアーの人達といっしょに出艇準備をすることになり、横ではツアーのお客さんたちがガイドからパドルの漕ぎ方を教えてもらっている。
大量の食糧と荷物を詰め込んで出発 海上は波無く進み具合も良いし、沖ではイルカがウヨウヨいて、岸沿いを漕いでいるツアーの人達もこっちに来れば良いのにな。 まずはクイーンシャーロット海峡を急いで縦断する。ここは西側が外洋に開けていて、波風をさえぎる島々も少ないので、西風が吹くと荒れるのだ。今日は風が無く、順調に北上する。船の数が少なくなり、鳥とイルカの方が多く見受けられる。バンクーバー島から遠ざかり、やっと人のいない世界へと入って来た。 予想より早く海峡を縦断し、後は岸沿いを西に行くだけなので、いつでも入り江に逃げ込める。 17時過ぎから始めたキャンプ地探しは1時間程かかってしまったけど、初日から順調に進めて良かった。これから長い旅になることだし。
晴れたので、やっと服が乾いた |
Broughton Island Card Pt (36km) |
7月4日(月) |
しとしとと雨の降る中、海上に現れるイルカの群れ。大きなイルカがジャンプをした後、すぐに小さなイルカがジャンプして、まるで親イルカが子イルカへと泳ぎ方を教えているみたいだ。
雨の多さから、陸地は木々で覆い尽くされ、森の上からハクトウワシがこちらをジーッと見下ろしている。突然のカヤックにビックリして岩場から海へと逃げ込むアザラシ達。海の上では魚が飛び跳ね、幾種類もの鳥が空を舞っている。 人間の匂いを感じられるものはといえば途中に見かけた一つの漁礁だけで、男の人が1人働いていてお互いに大きく手を振り合う。相手の表情は遠いので分からないけれど、その嬉しさが体全体から伝わってくる。何せ本当に人気の無いところだからな。
|
(38km) |
7月5日(火) |
高台でキャンプをしたので、寝る時は潮の心配は要らなくてよかったものの、出発する時に下がり続ける海面までカヤックや荷物を運ぶのは一苦労で、特にフジツボ沢山の中でカヤックを引きずるのには心が痛む。船に穴を開けてしまうと本当に命に関わる。 晴れる気配無く、曇り空の下で海はのっぺりと凪いでいて、引き潮もあってか順調に距離を延ばす。シェルター湾で漁礁を見かけた以外は人の気配のするものは無く、鳥達も人(あるいはカヤック)に慣れていないのか、近づいても逃げる様子はない。
細い水路の先は潮が引いて行き止まりになっている事も 順調な航海の中で大自然をゆったりと堪能、とはならず、行動食のエナジーバー(ス〇ッカーズみたいなもの)を食べていると、粘着キャラメルといっしょに奥歯の詰め物が取れた・・こんな何も無い所で・・・。歯医者がありそうなのはプリンス・ルパートまで?あと500km以上かぁ。 北上するに連れて波のうねりが大きくなり始め、ついにクイーンシャーロット海峡の外洋部に出る。壁のように盛り上がっていく海面を昇ったかと思ったら、次は滑り台のようになった海面を下っていく。こんな大きなうねりは初めてだ。
外洋に出ると海の力強さが増して来た
砂の上には何の動物か分からない足跡が・・ |
Buccieugh Pt (33km) |
7月6日(水) |
雨と霧の朝。視界の悪い中で外洋での横断は危険なので、テントの中で霧が晴れるのを待つ。 ラジオの天気予報通り、昼前から霧が晴れて視界が良くなり始め、出発。波は昨日よりは穏やかで釣り船も何隻か出ている。 北上するにつれて向かい風が強まり、海が荒れ始める。でも、上陸できそうな場所が見当たらないので、この旅最大の難所と言ってもいいケープ・コーションをこのまま通過することに決める。“注意岬”の名前からして、船乗りたちを苦しめてきた事が伺える。 岬に差し掛かると、強い風波と外洋からのおおきなうねり、岸から跳ね返ってくる波も加わって波がグチャグチャに立っている。とにかくバランスを取りながら全力でパドルを漕ぎ、岬を回り込むと北西からの風を正面からまともに受け、ますます危険な状況になっていく。
ケープ・コーション付近 ケープ・コーションから2km北にあったインディアン・コーブへ避難し、ようやく安全地帯に逃げ込めて一安心。 カヤックを岸辺に置き、浜辺を散策すると、またも何の動物か分からない足跡があり、すぐにカヤックの中から荷物を取り出し、“ベアべル”を身に付ける。
|
Indian Cove (15km) |
7月7日(木) |
沖を行く船を浜辺から眺めていると、あまり波に揺られている様子でもないし海上は穏やかそうに見える。岩々と海藻に守られているインディアン入り江を出ると、やはり少々波があり、荒れている岸沿いを離れて沖合を漕ぐ。
途中から縮尺7万分の1の海図に変わり、これまでずっと4万分の1を見てきた後なので距離感がつかみづらい。しかも、20kmほど海図が切れている箇所があり、コンパスを頼りにして前方に見える島の陰影を目指して進む。西風が横から吹き付けるが、カヤックのスピードに影響はあまり無い。 船が近くを通り過ぎ、どうも波に揺られているカヤックの様子を見に来たようだ。
分かりにくいが、カヤックの出現に対して海に逃げた 親アザラシと逃げられずに呻き泣き叫ぶ子供アザラシ 北上するにつれ、カルバート島が西に現れ始め、うねりが少しずつ無くなっていき、外洋が終わり内海に再び入る。 “ブシュー”という音が聞こえ出し、またクジラかと思い海面を見ていると、鋭い背びれと黒い皮膚に交じる白色。オルカ(シャチ)だ!近づいても逃げる様子は無く、こっちが避けながら航行していると、カヤックの後ろ15m位の所で大きな音と共に浮上し、危なぁ〜。
オルカ(シャチ・キラーホエールとも言う) 天気予報通りに雨が降り、明日の天気を聞こうとラジオを付けてみると新しいチャンネルが入るようになり、プリンス・ルパートの事を言っている。でも残りの地名の場所が全く分からず、今から調べないとな。
ようやく良いキャンプ地が見つかり始めた |
Addenbroke Pt (39km) |
7月8日(金) |
結局、天気(波高・風の強さ)予報はどこの地名(海峡名)を当てにして良いのか分からないまま出発。天候も回復し、釣り船もちらほら出ていて、乗っている人達からの視線を感じる。 穏やかな海も、西側が開けている所では強い西風による白波が立っていて、漕ぐのに必死になってしまう。そんな中、悠然と泳ぐクジラが2頭。これは大きい。
このまま幅5kmほどの水路を北に進めばベラベラに行けるのだが、ここはフェリーの航路でもあるので途中から横水路にそれることにして、波の立つ中少し西へと進んで行く。 島影に入ると、海は再び穏やかになり、波の心配が全く要らない水路へと入る。ここだと大型船が通らないので、キャンプ地が波に襲われる心配がない。 日が照ると暖かく、ようやく夏らしくなって来た。米がついに無くなったので、チーズマカロニを主食にして、ラーメンをすする。
|
Underhill Island (35.5km) |
7月9日(土) |
夜中に聞こえてきたのは、キャンプ地のすぐ近くを通り過ぎて行く1頭のクジラの音。 幅1kmに満たない水路に大小無数の島々が点々とし、海図と照らし合わせながら適当にその間を縫うように進む。
今日は4kmほど外洋を通らなければならず、少し波の高くなった海上で前方から近づいて来たのは一艇の黄色いカヤックに乗った男性。お互いにパドルを漕ぐのを止め、少し手を振った後、再びパドルを動かしてそれぞれの進路へと漕ぎ始める。この先バンクーバー島まで町はないし、先は長いな。向こうは「あっちはもうすぐベラベラかぁ」とでも思ってくれているのだろうか? 内海に再び戻ると、多くの船が海に浮かんでいて、皆さん釣りをしている模様。こちらに向かい手を振っている家族連れの乗った小ぶりのクルーザーには、カヤックや自転車などが載せられていて、それぞれがいろんな形でこの沿岸水路を楽しんでいる。彼等も北にあるベラベラに向かっているようで、細い水路へと入って行くけれど、今の潮位でそこは通れるのだろうか?こっちはどんな潮の高さでも確実に通れる水路を選択し、かなりの遠回りである。 |
(43km) |
7月10日(日) |
停滞。あと15kmまで迫ったベラベラの町に着く前に、いろいろと準備をする。 まずは日の差し込む天気の中でバンクーバー以来のマトモな洗濯をして、真っ裸になり久々に体全体を洗う。浄水器で水を大量に作り、海図の整理やこれからの旅のルートを調べ、残っている食糧で昼食・おやつを食べてと、昼寝をする暇がない。
浄水器で6L×2袋の飲料水を作る
夕食後からは、明日ベラベラで購入する食糧を紙に書いていく作業をしてと、なんか忙しいなぁ。 |
- |
7月11日(月) |
出発が待ち遠しく、もうすぐ着く久々の町に期待を寄せる。
より多くの船を見かけるようになり、ベラベラのあるラマ水路に入ると、400mと最も幅の狭いところでクルーズ船とすれ違い、あまりの近さからその大きさに驚く。上を見ると船上の甲板から50人ほどが風景を眺めていて、こちらを向いている人もいたので手を振ってみると、船に乗っている人全員が一斉に手を振り始め、やっぱり皆こっちを見てたのね。
テレグラフ・コーブから9日目、ベラベラ着。防波堤の付け根に上陸し、これからしばらくは引き潮であるのを確認してから、岸辺にカヤックを置き、町へと繰り出す。 道行く人はほとんどがモンゴロイドの顔立ちで、ここはインディアンの町(村?)なのだ。フェリー乗り場の近くに大きなスーパーがあり、品数は豊富で、日本語が書かれてある商品も目に付く。ラーメンはやはりサッポロイチバンが売られていて、3種類の味に加え、YAKISOBAも置かれていて思わず大量購入する。 ベラベラ・人口1500に満たないヘイルツーク族の町 食糧がたくさんあるうちに距離を稼ごうと気合十分で漕ぎ出したのに、北西からの向かい風が白波を作り、前進困難となって本日は終了。ベラベラからまだ8kmだけか・・先は長い。 航行距離(テレグラフ・コーブ〜ベラベラ):254.5km |
Defeat Pt 近く (23km) |
7月12日(火) |
朝早くから潮が西へと流れているので、素早くパンをひとつ食べ出発準備にかかる。
干潮により遠くなった海辺に、荷物を運ぶのが大変 シーフォース海峡を西に漕ぎ終え、北に進路を変えると、南風を背中に受けて一気にスピードが上がる。進みは順調過ぎて良いが、後方から白波が次々と押し寄せてきて、気持ちの余裕は全くない。
本当に細いヒギンズ水路に入ると、所々海藻が海面全体にへばり付いていて、エンジン付きの船では通れそうも無く、カヤックといえども潮が引ききっている今の状況では上手にルートを選ばないと先へは進めない。 海藻が進行方向へと引っ張られていて、現在追い潮なのが良く分かり、何か自分を導いてくれているかの様だ。
|
Higgins Passage (54.5km) |
7月13日(水) |
潮位がとんでもなく上がって来たので、夜中まで気になって全く眠れず。今は干満差の大きい大潮の時期なので大変である。 海藻だらけの水路も終わろうかという時に、前方からカヤックが一艇近づいてくる。デッキに置いてある釣竿が良い味を出している彼はアラスカから来たようで、Tシャツ一枚で寒くはないのだろうか?まだ朝の8時過ぎで冷え込んでいるし。 にしても、こんな朝早くにもう海の上と、カヤッカーは行動が早いな。周囲に誰も居ないと思い眠っていた昨夜だったけれど、結構近い距離でお互いキャンプしていたのだろう。300kmの横断をしている者同士、少し会話を交わしただけで先を目指す。 彼との出会いにしばらく夢中になっていたので、自分が今どの位置にいるのか分からなくなってしまう。後ろを振り返ると、彼もキョロキョロと頭を動かしている。
こんな所で人と出会うとは・・ ヒギンズ水路を抜けると、幅7kmあまりの海峡を追い風と追い潮を受け、順調に北上する。 船上で釣りをしている人達から、「グッド・モーニング」と大きな声をかけていただき、挨拶として本日2度目の言葉を発する。 キャンプ地のすぐ前の海上で、頭をポッコリと出して浮かんでいる一頭のアザラシが突然、何回も尾ひれで海面を叩き始め、周囲に激しい音が響いている。まるで「ここは俺の寝床だ」と言わんばかりに。
|
Smithers Island (42km) |
7月14日(木) |
海藻の上を滑らせながらの出艇
上げ潮と南からの風により進みは良い。後ろから風を受けるので首筋が寒く、終始フードを被りながらパドリングをして体温を上げる。
時間が経つにつれて追い波が一層激しくなり、後ろから押し寄せてくる白波に乗り、サーフィンしながらすごいスピードでカヤックが走り出す。力を入れて漕がなくても、風景がみるみるうちに変わっていくのは嬉しい限り。その一方、波がどんどん高くなり、ちょっと危なくなって来た様だ。 波が穏やかな岬の裏に避難し、浜辺を歩いてみる。満潮になるとおそらく水没するであろう岩場と、侵入する事を完全に許さない深い森。テントをどこに張ればいいのだろう?海はますます荒れ出し、もうここからは出られそうもない。
|
Island Fernyhough Pt (47km) |
7月15日(金) |
雨、風、霧により停滞する。潮の流れはかなり良いのだが、白波の多く立つ中で漕ぐのは怖いし、霧の中を旅しても風景なんて楽しめるはずもない。 テントで本を読んで過ごしていると、「ブシューッ・・ブシューッ」という音が聞こえてきたので外をのぞいてみると、アシカ?かオットセイ?みたいな動物が2頭、目の前の海辺を通り過ぎて行く。 夕方に再び音がしたので見てみると、今度は沖合を泳ぐクジラであった。
|
- |
7月16日(土) |
雨は止み、風も治まる。 海抜0.4mまで下がった岸辺に荷物を運び、穏やかになった海に出る。逆潮なので景色の変化はゆったりしている。
遠くに見えるクジラの浮上する姿。 久しぶりに船が近くを通ったので手を振ってみると、男の人が手を振り返してくれて、よく見ると彼のもう片方の手にはビデオカメラがあり、レンズをこちらに向けている。 午後からは照りつける日差しへと変わり、この旅で初めてアウタージャケットを脱いでパドリングをする。 上げ潮が終わる午後6時前に陸地に上がると、その後すぐに海上が白波を伴って荒れ始めた。
|
Lundy Cove (44km) |
7月17日(日) |
昨晩に電波が入らなかったラジオも朝になってようやく繋がり、今日も海に出られそうな天候だと分かりホッとする。 プリンシペ海峡が終わりぺトラル海峡に入る。ここからはしばらく詳細な海図の無い中で漕ぐことになる。雨の降る中、モヤのかかった景色は幻想的であり、一隻の船が漁をしながらゆったりと航行している。
午後3時に上げ潮が終わるので、奥に進むに連れて細くなって来たこの海峡では、強い逆潮になるのは時間の問題だろう。早めにキャンプ地を探さないといけないが、両岸は険しい崖が続いていて上陸は難しい。 やっと見つけた良いキャンプ地。と思っていたら、潮が引き始めると共に海岸に現れたのは大小無数の岩々。これらは背後にそびえる山から落ちてきたものではないのかな?
|
Elbow Pt近く (47km) |
7月18日(月) |
午前中、海の上を丸太などが南へと流されていて、キャンプ地で潮の流れが変わるのを待つ。海峡の幅が1kmと狭くなっている所なので流れは相当速い。
海面が下がり切ったので、遠くなってしまった海辺に荷物を運び出発する。 上げ潮流になるのはまだ先のようで、進みは悪く、行動食を摂るために手を休めているとカヤックは少しずつ後ろへと流されて行く。
雨が降り出し、海上は霧がかかっていて、遠くの風景は白くぼやけている。 プリンス・ルパートが近づいたせいか、いつもより多く汽笛の鳴り響く音が聞こえてくる。 |
McMicking Island (37km) |
7月19日(火) |
6時に起きて、7時にはもう海の上。明日から金曜日にかけて天気が悪く、海が時化るそうなので今日中にプリンス・ルパートまで行くことにする。 雨に伴う霧により視界不良で、海に浮かぶ灯ブイや島、遠くかすかに見える山影を目印にして、穏やかな海を一人漕ぐ。
プリンス・ルパート辺りでは潮の干満差が最大7mに達する
多くの船と大きな工場が見受けられ始め、狭い海峡を通った先に見えてきた街。プリンス・ルパート着。 港ではなくキャンプ場近くの浜に上陸し、キャンプ場に荷物を運ぶ。思っていたより距離があり、カヤックは運ぶのを諦めて、浜に置きっぱなしにしておく。おそらく誰も盗らないだろう。
テレグラフ・コーブから564km、17日で到着
テレグラフ・コーブ以来のシャワーを浴びて、街へと出かける。小さな街だけど店は多く、欲しい物は手に入りそうだと期待を寄せる。この先、アラスカへと旅を続けるには新しい海図が必要なので、港付近で船関係の仕事をしている人達に海図を売っている場所を聞いて回る。 “シースポート”という店に置いてあるらしく、行ってみると閉店直後であった。残念だなぁ〜、と思いつつ中を覗き込んでいたら、不審者に気付いて店の人がやって来た。事情を説明すると店内に入らしてくれ、案内されると、そこにはカナダに加えアラスカの海図も売っていて、これで旅が続けられる。 海図は明日買いに来ることを告げ、街を再び歩き始めるけど、18時前だというのにほとんどの店がシャッターを下ろしている。霧雨の降る街はどこか寂しげに見えた。
航行距離(ベラベ |
Prince Rupert (30km) |